事務所通信 3月号掲載
県立野球場調査費30万円だけ・・・


 先日、県の平成17年度予算が発表になりました。これに対し「新潟日報」において標記の記事が掲載されていました。

 
内容は、建設費約30億円に対し30万円の調査費しか計上されなかったというものです。これに対し、「スポーツ文化を育てる投資。赤字になっても地域は活性化する」球場建設は泉田知事の選挙公約。期待して投票したファンからは「裏切られた」とブーイングも起こった。 という内容です。

  しかし、赤字になっても良いという発想はいかがなものかと思います。この意見を言った人がポケットマネーで赤字を補てんしてくれるのならまだしも、結局は、県税が投入され、県民負担となります。 なんて無責任な発言でしょうか。

 それから、球場建設が泉田知事の選挙公約だから公約違反だという考え方もおかしいと思います。中越地震という選挙後に起こったことに対し、財政的にも柔軟に対処するのは当たり前です。 例えば、月給30万円の人の勤めている会社がある日突然倒産し、失職した場合どうするでしょうか。
生活費を切りつめつつ、雇用保険の手続きを取るなり、今までの貯えを充てるなりしながら、求職活動に入ることでしょう。


 
つまり置かれた状況の中で柔軟に対応することが重要です。このようなことを考えながら、同時に「二宮翁 夜話」の次の言葉を思い出しました。(二宮翁=二宮金次郎)

 
「たとえば百円の財産の者が百円で生活していけば富もしないし、貧乏にもならないんだ。それを百円の財産の者が八十円か七十円で生活すれば富は残って、財産は必ずたまるんだ。これと反対に百円の財産の者が百二十円とか百三十円の生活をしてゆけば財産は減り、必ず貧乏になるんだ。ただ分外に出た生活をするか、分内で切りつめた生活をするかの違いがあるだけなんだ。」  

 
世の中は、非常に速いスピードで変化しています。こうした状況においても「変えてはいけないもの」「変えなければいけないもの」があり、この区別がつかないときに人生も、経営も、政治も混迷したものになるのではないでしょうか。

     

所 長  須 田 幸 英
事務所通信 3月号掲載

                             

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